3月上旬に発売予定の7冊目の新刊の原稿の一部をご紹介いたします(第4回)

■□■□■□力まないリーダーがうまくゆく! 第4回■□■□■□

●ピンチのときは落ち着いているように振る舞う

リーダーの真価が問われるのは、アクシデントが起こったり、ピンチに見舞われたり、逆境に陥ったりしたときです。

次の2人のリーダーがいたとします。
 

1人目のAさんは、いつも陣頭指揮をとっていて、パワフルで頼れる雰囲気を出しています。プレイヤーの頃も常に営業成績がトップでした。

ところが、ある日大きなミスが発覚しました。

すると、Aさんはオロオロしてしまい、部下にどなり散らして、醜態をさらしてしまいました。また、適切な対応をとれなかったため、お客さまに納得してもらえず、出入り禁止になってしまいました。

2人目のBさんは、パワフルな印象はありません。陣頭指揮をとることはなく、部下に自由に仕事をさせています。

ときには、部下と他愛のない冗談を言い合っていることもあったりして、ちょっと頼りなさそうに見えます。

Bさんの部署でも、Aさんの部署と同じように大きなミスが発覚しました。

そのときBさんは、部下からの報告に落ち着いて対応し、的確な指示を出したため、お客さまにも納得してもらうことができました。

どちらのリーダーのほうが、頼りになるでしょうか?

言うまでもなく、Bさんですよね。

部下は、逆境に陥ったときに落ち着いて対応できるリーダーについていきます。

冷静であることは、リーダーとして必要な条件であるともいえます。

このとき、Bさんは終始冷静だったように見えましたが、実は内心ではかなり焦っていました。

冷静になるための「儀式」を用意しておく

 
私は仕事柄、普段から多くのリーダーの方たちと接していますが、ヒアリングしてみると、トラブルに見舞われたときは表向きは冷静を装っているけれど、心の中ではテンパっているという人は少なくありません。

かつて同じようなトラブルを処理したという場合であれば、まだ冷静でいられるかもしれませんが、初めてのトラブルの場合はそうもいかないでしょう。

また、自分にとっては過去に処理した経験があったとしても、お客さまや部下にとっては初めてで心配になるということもあるはずです。

実は、かつての私はAさんのようにトラブルが起こると、慌てふためくタイプでした。

「もういい加減にしてくれよ!」「なんできちんと確認しないんだよ!」などと報告に来た部下に対して、どなりつけていました。
 

トラブルが起きたとき、その原因を作った部下を叱る必要はありますが、それは最初にすることではありません。

まずは、解決策を考えて行動することが先決です。

「叱る」のは部下の行動改善のためですから、あとでいいのです。
 

ですから、重大なトラブルが起きて、ピンチになったら、次のように対応しましょう。
 

もし、自分が焦っているなと思ったら、冷静になるための「儀式」をすることです。オロオロしていてはリーダー失格ですし、冷静にならないと、適切な対応策を考えることができません。
 

私の場合は、部下が報告に来たとき、初めにいい報告か悪い報告かを聞くようにしていました。
 

悪い報告だという場合は、「おー、まいったな……。うん、ちょっとトイレに行ってきてから聞くから3分待って」と言って席を離れます。
 

そして部下の見えないところで、深呼吸をしたり、手をぶらぶらさせていました。あるいは、水を飲んだり、フリスクを食べたりしていました。
 

そして、「よし!」と自分に言い聞かせてから席に戻って、報告を聞く態勢に入ります。

このように、悪い報告を部下がしてきたときに反射的に怒ったり、オロオロしたりしないように自分なりの儀式を作っておきましょう。

(3月上旬発売予定 仮タイトル 『力まないリーダーがうまくゆく!』)