管理職・リーダーのコミュニケーションスキル「共通の話題を見つける雑談術」

管理職・リーダーのコミュニケーションスキル 共通の話題を見つける雑談術

これから、新しい部下や取引先との初対面で好感を得るコミュニケーションスキルについて解説します。今回は、共通の話題を見つける雑談術です。雑談で和やかに商談を進める方法、その際の心構え、考え方、実践的なテクニックを解説いたします。

管理職・リーダーが意識したいこと「共通の話題を見つける方法」

威圧的な人とは別に理屈っぽい人や数字を使って論理的に話すタイプの人もいます。

雑談において盛り上がるのは「共通の話題」です。

出身地、学校、最寄りの駅が同じであれば、話は盛り上がります。

「共通の知人」がいたり、趣味が同じである場合もいいでしょう。

しかし、「共通の話題」を見つけるために、相手にいきなりヒアリングするのもよくありません。

もし、あなたが例えば人事の採用担当で、営業に来た人材派遣会社の人に「Aさん、どちらのご出身ですか?」「Aさん、最寄りの駅はどちらですか?」と聞かれても、答えるのに戸惑うのではないでしょうか。

だからといってAさんのことを調べておけばいいとの話もありますが、相手の会社のことを調べることはできるにしても、相手自身まで調べることはなかなかできないものです。

また、かつて私がしていた飛び込み営業では不特定多数の法人を訪問するので、いちいち調べることもできません。

それに都度検索していたら時間がいくらあっても足りません。

実は「共通の話題」は準備しなくてもすぐ見つかるのです。

例えば、居酒屋に入ったとき、メニューを見ながら「今日は何がいいかね?」と盛り上がることはありませんか?

「今日は気分的に焼酎かな。あまり酔いたくないからウーロン杯にしておくかな」

実はこれは「共通の話題」だから盛り上がるのです。

これからオーダーをするという共通の目的があります。

何よりも、「メニュー」というお互いに見えている共通のものがあるから盛り上がるのです。

「この魚何ですかね」

 食べながら、こんな会話をすることもあるでしょう。

 これは全部お互いに見えている魚という共通の話題だから自然なのです。

実はビジネスでも共通の話題は瞬時に見つかるのです。

そうです。

「目に見えるもの」を話題にすればいいのです。

このことを知ってから、私はどんな時でもスムーズに雑談をできるようになりました。

また、「目に見えるもの」を探すとき、周りを見渡すのでリラックス効果も得られます。

では、具体的にどうしていけばいいかをお話ししていきます。

1.外に見えるものを話題にする

かつて、海の見える高層ビルのオフィスに定期的に訪問していたことがあります。

その時、「絶景ですね」と必ず盛り上がっていました。

私は現在、講演や研修の仕事で全国各地に行きます。

京都から金沢に移動していた時のことです。

この移動では「サンダーバード号」という特急に乗るのですが、その列車は琵琶湖の西を走ります。

その際、びっくりしたのですが、琵琶湖が見えてくるなり社内放送が始まったのです。

「右手に見えるのは琵琶湖で、今日は天気がいいのでよく見えます」

正確な言葉ではないかもしれませんが、こんなニュアンスの言葉でした。

1回きりの放送でしたが、立ち上っている人もいました。

これは「琵琶湖」という見えるものがあるから盛り上がれるのです。

しかし、この外の見えるもの、「富士山が見える」「海が見える」などの絶景の時しか、使えないのではないかと言う意見もあるかもしれませんが、そんなことは全くありません。

 例えば、訪問先の人はほとんどが1日をその会社で過ごします。

 当然、その間に飲食もするわけです。

 ですから、「コンビニ」「飲食店」などの話題をしました。

 「あっ、割と近くにコンビニがあるのですね」

 「あっ、通り沿いに吉野家があるのですね」

 「あっ、○○ラーメンが近くにあるのですね」

 「あそこにすごい行列ができていますけど、何のお店ですか?」

 駅の話題何かもいいでしょう。

 「こうやってみると駅からまっすぐでわかりやすいですね」

 「あれ、向こうにも駅がありますね」

2.室内で見えるものを話題にする

たとえば、オフィスの家具が赤で揃っていれば、「御社の家具は赤が多いですね。何か理由はあるのですか?」と聞いてもいいですし、社訓や経営理念が飾っていれば、「いい言葉ですね」などと言ってもいいでしょう。

特に経営者の方は喜ぶでしょう。

絵が飾っている場合などは、「何の絵ですか?」と聞くのもいいでしょう。

あるいは、座り心地のいいソファならば「すごい快適ですね」などと言ってもいいでしょう。また天井の高い部屋に通していただいたなら、「天井が高いと広く快適に感じます」と言うのもいいでしょう。

なお、この場合「感じます」と言った自分の主観であるという伝え方がいいでしょう。

決めつけるような言い方だと上から目線にとられて、相手の気分を害する危険性があります。

コーヒーを出していただいたら、「ありがとうございます。美味しいですね。私はブラック派なんですが、○○さんは?」と訊くのもいいでしょう。

その他に身につけているものの話題を振るのもいいでしょう。

ただし、この時は注意が必要です。男性から女性を褒める場合、「そのシャツの色、オシャレですね」「スカーフの柄がオシャレですね」と身体に身につけているものの話題は避けたほうがいいでしょう。

人によっては「変なところを見られている」とセクハラに感じてしまうかもしれないからです。

ただし、慣れるまではなかなか気も配れないので、どの部分をチェックするか決めておくといいでしょう。

具体的には私は次のようにしていました。

  1. 壁を見て、社訓や表彰状や絵をチェック
  2. 出された飲み物

寒い時に温かいコーヒーを出していただいた場合、「いや、温まります。ありがとうございます!」だけでも効果的です。暑い時もしかりです。また湯飲みなどが高級そうな場合、「すごくいい湯のみですね」と感想を伝えます。

 仮に見かけだけで実は高価でない場合は「そんなことないよ」と返されますが、「そうですか。高級そうだなと感じました」と「感じました」で返せば、相手が気分を害することはないでしょう。

逆に高級なものでしたら「よくぞこの話に触れてくれた」と相手の印象をよくできます。

3.家具をチェック

もちろん、これらの話題は戦略的な雑談というよりも、場を柔らかくする「アイスブレイ

ク」的な要素が強いものです。ですから、気楽に進めていくのがいいでしょう。

 また、このように部屋の内外をゆったり見回すのは商談前にリラックスできる効果も望めますので、儀式として取り入れるといいでしょう。

 このような人を苦手と思う方は少なくないでしょう。

 一生懸命雑談をふっていても、つまらなそうな対応をしたり、人を馬鹿にする感じで、私も困ることがありました。

 このようなタイプの方にはどうしたらいいのでしょうか。

 実はこのタイプの方は雑談自体は嫌いではありません。

 ただ、目的のない雑談が嫌いなのです。

 このようなタイプの方が一番大切にしているのはリスクの回避です。

 よって取引する際、次のことを気にします。

・この会社と取引して大丈夫か?

・この商品・サービスを利用して問題ないか?

・この営業マン・担当者で大丈夫か?

商談の際はこのようにリスクがないかを吟味しながら話をします。

よって、天気の話や食べ物の話などでアイスブレイクしてもあまり効果はありません。

もちろん1往復や2往復ぐらいアイスブレイクするのは構いませんが、あまり仕事とは関係のない話をしても意味がありません。

むしろイライラさせてしまい、逆効果になることもあります。

このようなタイプの方には、できるだけ早めに「仕事に関する雑談」に入るようにしましょう。

具体的には業界の話、相手の会社の話、関連するニュースなどがいいでしょう。

アポイントを獲得して訪問するなら、相手の会社のHPから題材を探して準備しておくといいでしょう。

なお、アポイントを獲得しての訪問の場合、HPを見てわかることは聞くと逆効果になります。「創業はいつなのですか?」「本社はどちらなのですか?」「どんな業種なのですか」はタブーです。

ただ、HPの内容を全部暗記することは難しいので、私は相手の会社のHPを印刷した紙を手帳とともに出すようにしていました。

さらにワンポイントとして、付箋などを貼った状態にしておくと、「おっ、きちんと勉強してきたな」と思ってもらえます。

この印刷した紙を出しておくのはこのタイプ以外にも有効です。面談前に調べてきて、それを嫌がる方はいませんから。むしろ好感を持ってもらえます。

プラスで私がしていたのは、「相手の会社のお客様」を知るようにしていました。

例えばHPに取引実績の記載があるなら、「御社は○○住宅さんとか、住宅メーカーがお客さんになるんですね」とお聞きします。

すると、相手も「そうですね。他にはリフォーム会社・車のディーラーなんかもお客さんですよ」と答えてくれるかもしれません。

 飛び込みなどで訪問した際は、直接聞いてしまっていいかもしれません。

 「相手の会社のお客様」を知ることによって、こうすればさらにお客様の満足度が上がりますよとアドバイスできるかもしれません。

 あるいは直接そのようなお客様を紹介することによっての貢献もできます。

 このようなタイプの方に対しては、リスクを1つ1つ消していくことが商談では大切になります。雑談をしながらどのようなリスクを恐れているかを聞いてあげるといいでしょう。

 なおこのタイプの方には強引なクロージングは厳禁です。

 もちろん、強引なクロージングは相手に失礼にあたり、昨今では減っています。しかし、普段はそうでなくても、どうしても目先の数字が足りないとき、つい強引なクロージングをかけてしまいたくなることもあるでしょう。

 では、なぜ強引なクロージングがいけないかというと、このタイプの方は「強引なクロージングだ。商品やサービスに何か欠陥があるのではないか。怪しいから止めておこう」となってしまうからなのです。

 よって1つ1つリスクを消す作業が終わっても強引なクロージングはしてはなりません。

 時間をとってあげるようにしましょう。

 ただし、この方の中にはリスクばかり気になって決められない方もいますので、期限を区切ってあげる必要があります。

 なおこの場合も、ただ単に「では来週の金曜日の午前中までに決めておいてください」という言い方ではなく、「この商品、メーカーに来週の金曜日のお昼まで特別に抑えてもらっているのです」「月末までに納品するとなると、来週の水曜日までに決めておいていただく必要があります」などと期限を区切る理由をセットで伝えておく必要があります。

雑談は最初にしなければならないものではありません。

本題の話が終わってからしてもいいのです。

ビジネスマンの中には、「最短で最大の成果を出したい」と無駄話をあまりしたがらない方も少なくありません。

しかし、そのような方の中には、目的を果たしたら少しリラックスして雑談をしたいという方もいらっしゃいます。

かつて私が営業で訪問した管理職の方々にはそのような方が少なくありませんでした。

広告会社時代に訪問したある企業の管理職の方とのエピソードをここでお話しします。

訪問して名刺交換し、席に座ったあと、「いや、今日は暑いですね」と言ったら、「夏は暑いのが当たり前だろ。それより今日は何の目的できたんだ。目的を早く言え」とお叱りを受けたこともありました。

アポイントを獲る際に、電話でお話しした際は、笑い声もあって穏やかそうな方だなと思ったら、いきなり強くお叱りを受けたので、唖然としてしまいました。

そのような方でしたので、商談が終わり、次回の訪問につながる宿題をいただいた後、すぐ帰ろうとしましたら、「どうぞ。せっかくなのでお茶飲んでください」と言われ、さらには「暑いから営業は大変だよな」と向こうから天気の話をしてきたのにはビックリでした。

さらに「今日はこれからどこを回るの」と聞かれ、群馬県のT市と伝えると、「あそこはここより暑いんだよ」とさらに話を帯びます。

それどころか「いや、俺もかつて営業してた時はさあ、1日40件回ったこともあったよ」「難解なお客さんを通って落としてさあ。これでもトップセールスマンだったんだよ」なんて言い出します。

そうなのです。

実は威圧的な方の中には話好きな方も少なくありません。

このような方で役職に就いている方や年配の方は、それ相応の実績、いわゆる過去の武勇伝をお持ちです。

 そして武勇伝を話したがっています。

 一般的に武勇伝や自慢話はあまり聞きたいという人は少なくありません。

 でもこのような人は話したい。

 どうすればいいでしょうか。

 ここは積極的に武勇伝・自慢話を聞いてあげればいいのです。

 武勇伝や自慢話は聞きたくない人の方が多いですから、むしろ聞いてあげる人になれば、相手から好感を持っていただけます。

 よって、威圧的な人には本題が終わった後の雑談で、教えを請うようにしましょう。

 しかし、ただ「教えてください」と言うのではなく、私、○○が苦手なんですけど、教えていただけますか」「御社のショップ、どんどん増えていてすごいですね。どうやって来店者数を増やしているのか、教えてください」などでもいいでしょう。

 きちんと理由を述べて教えを請うのは失礼に当たりません。

 余談ですが、このようなタイプの方には、提案する時は2つの案を持っていくのがいいのです。

 提案内容を5つ用意したり、1つしか用意しないのはよくありません。

 なぜなら、この方は5つも選択肢があると選ぶのが面倒くさいと思ってしまうからです。ならば1つだけ提案するのでもいいのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、1つでは不満なのです。

なぜなら、自分で決めたいからです。

よって、2つの案を持って行って、1つに絞ってもらう。 初対面の場合で、5つの提案書をその日持っていったら、「お話を伺っていて、これとこれは違いますよね。だとするとこの2つが候補ですかね」と言いながら絞っていき、選んでもらえばいいのです。

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