管理職・リーダーのコミュニケーションスキル 本題後のロスタイムにする雑談術

これから、新しい部下や取引先との初対面で好感を得るコミュニケーションスキルについて解説します。今回は、本題後のロスタイムにする雑談術です。雑談で和やかに商談を進める方法、その際の心構え、考え方、実践的なテクニックを解説いたします。

管理職・リーダーが意識したいこと「終わりよければすべてよし!ロスタイムにはこんな雑談をしよう!」

前にも触れましたが、雑談に対する誤解として「雑談はすべて本題に入る前にしなければならない」というものがあります。

人によっては本題の前には雑談するけど、終わったら雑談はせずにすぐ帰るという人もいます。

なかなか1回で決まる仕事はありません。

仮に1回で仕事が決まったとしても、今度はリピートするかどうかという問題があります。

実は本題が終わった後の雑談は非常に大切なのです。

「終わりよければすべてよし」という言葉があります。

去り際は大事なのです。

最後の印象が相手に残るからです。

それまで非常に感じがよく気配りをしっかりして好感を抱いていた人が、最後あっさりと、丁寧な挨拶もせずに帰ってしまうと、「あの人は単に契約が欲しかっただけではないか」と悪い印象を抱くかもしれません。

逆にぎこちない商品説明をしていたり、提案のニーズが合わなくても、最後まで丁寧でよい印象を相手に与えれば「またチャンスをやろう」と思ってもらえるかもしれません。

私自身、かつて営業マンの頃、コンペに負けても丁寧に対応していた結果、翌年は選んでもらった、あるいは3年かかって仕事をいただけたなんてこともありました。

 本題が終わって受付まで見送って帰るまでの間、気を抜くどころか、相手との距離を縮める重要な時間なのです。

 では、具体的にどのような雑談をしたらいいのでしょうか。

 ここで大切なポイントは、相手にいい印象を残し、次回の面談につなげることです。

 次の3点がいいでしょう。

1.宿題を作る

次回までの宿題を作るのです。もちろん商談で次回までの宿題は作っているかもしれません。

 「北海道で1泊2日の旅行の企画を作ってほしい」

 「高校生にリーチできる広告媒体を探してほしい」

「コストは多少かかっても集客につながる媒体を探してほしい」

雑談上手な人は本題以外の雑談でも宿題を作っているのです。

人は誰しも「教えたい」という願望を持っています。

例えば、あなたが非常に面白い映画を観てきたとします。

この事を誰かに伝えたいと思いませんか。

さらに、その教えたことをやってくれた人、例で言えばお薦めした映画を見に行ったという人には好感を持つのではないでしょうか。

雑談上手な人はわざと相手に教えを請うのです。

そうはいっても、相手の得意なものがわからないとそれはムリではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

相手がゴルフが得意とわかっていれば、「飛距離を伸ばすクラブはありませんか?」などと聞くことができますが、そうもいかないでしょう。

では何を教えてもらえばいいのでしょうか。

私がよくやっていたのはお店の場所を聞くことでした。

訪問先に行ってこのような会話をしていました。

自分「今日はありがとうございました。ところで1つ教えていただいてよろしいでしょうか」

相手「何でしょう」

自分「今日この辺りで食事をとっていきたいのですが、どこかおススメなお店はありますかね?」

相手「何が食べたいですか?」

自分「そばとか魚とかさっぱり系がいいですね」

相手「そばだったら、○○庵っていうお店がいいよ。魚だったら○○ダイニングがランチもやっていておススメだよ」

自分「ありがとうございます。行ってみます」

 食の話だったら相手も答えやすいので、話題にしやすくなります。

 これが面談前だったら、眉をひそめる硬い方もいらっしゃるかもしれませんが、面談後でしたら、相手もリラックスしているので、問題ないでしょう。

 さらにこの後、訪問後のお礼のメールで「ps.○○ダイニングご紹介いただき、ありがとうございました。すぐわかりました。とても美味しかったです」と送ったり、次回の訪問の冒頭で伝えればいいのです。

 これは次回の面談の冒頭のネタにもなるので、おススメです。

 でも、食事の時間帯しかこのワザは使えないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

 そんなことはありません。

 大切なのは次の2つです。

第1段階:教えを請う

第2段階:実行して、教えていただいたことにお礼を述べる

 教えてもらうことはたくさんあるはずです。

 「この辺でコンビニはどこが近いですか」

 「ガソリンスタンドに寄りたいのですが、どこが一番近いですか」

 「会社にお土産を買って帰りたいのですが、鱒寿司だったらどのお店がいいですか?」

 そして教えていただいたことに対して「コンビニにすぐたどり着けました。助かりました」などと言えばいいのです。

 その他にも相手が年上の経営者の方なら「読んでおいた方がいい本」などを聞くのもいいでしょう。特に応接室に書棚が並んでいる場合、そのジャンルの本について聞いてみるといいでしょう。

 「教えていただいたあの本読みました」と言って、次回の雑談のネタにすることもできるでしょう。

 何よりも、人は教えたことを実行してくれた相手には好感を持つものです。

2.次のお休みの予定

人は「自分の言ったことを覚えてくれている」相手にも好感を持ちます。

ここでおススメなのは「次のお休みの予定」です。

一部のワーカーホーリックの方は別かもしれませんが、ほとんどの方は「お休み」が好きです。

お休みの話題は盛り上がる鉄板です。

特に本題の後はリラックスタイムなので効果的でしょう。

 ただ、そうはいっても、いきなり質問しても相手は答えにくいかもしれません。

 このような場合、自己開示しながら質問するといいでしょう。

営業「そろそろゴールデンウィークですね。まだ私は何も考えてないのですが、どこか行かれる予定はおありなのですか?」

お客「そうだね。仲間で栃木の那須にゴルフに行ってついでに温泉に泊まってこようかなんて言ってるんだけどね」

営業「那須いいですね……」

 このように相手の情報を質問しておいて、2回目にお会いした時に「那須いかがでしたか?」と聞けばいいのです。

 こちらの言ったことを覚えてくれているなと好印象を抱いてもらえる確率が高いでしょう。

 まれに、「アップダウンの激しいゴルフ場で最悪だったよ」なんて答えが返ってきても、「すみません。余計なこと思い出させてしまって」と返せば、相手も悪い印象を抱くことはないでしょう。

 これは長期休みでなくても、普段の週末の話でも使えます。

営業「今週末は天気もいいみたいですね。どちらか行かれるご予定はあるのですか?私は久しぶりにのんびりショッピングでもしようかと思ってます」

お客「そうだね。ちょっと河口湖に釣りでも行こうかと思っていてね」

営業「釣り、いいですね。この時期は過ごしやすいし、楽しみですね」

 ここで大切なポイントは次の2点です。

・自己開示する際、自分の充実ぶりを誇張しない

 例えば、次の休みは「ハワイで過ごす」「ビジネススクールに行く」など、充実してそうなことは言わないほうがいいでしょう。

 これでは自己開示する意味がなくなるからです。

 「何だ、この人は自慢したいのか」と思われてしまう危険性が出てきます。

 相手も答えにくくなるでしょう。そもそも自己開示は相手に話しやすくさせるものであり、質問する側は少し充実感を下げたほうがいいのです。

 「まだ何も予定はないのですが」「のんびり釣りでも行きたいなと思っているのですが」「ゆっくり休みたいとは思っているのですが」などの曖昧なほうがいいでしょう。

・2回目の訪問で必ずその話題に触れる

 大切なのは「相手の話を覚えていますよ」とアピールすることです。

 後ほど5章で説明する雑談ノートなどに「話した内容」を書いておくといいでしょう。

逆の立場での話になりますが、かつて何千人もの従業員を束ねていらっしゃる社長さんと面談をしたことがありました。

 驚いたのはこの方と2回目の面談をした時のことでした。会うなり、いきなり言われました。

 「吉田さん、こんにちは。今日は寒いね。そうだ、九州は楽しみました?ラーメンは食べた?」

 前にお会いしたのは2ヶ月前でした。

 その時、帰り際にラーメンのお話をして、「今度九州に行くんですよ」とちらっと言っただけです。それなのに社長は覚えてくれていたのです。

 びっくりしました。

 社長からすると、私は営業をしている側の会社のただの営業マンです。

 一気にその社長のファンになりました。

3.相手への気配りをする

 相手が忙しそうな時、あるいはお休みの予定を聞いて、休む暇なんかないよと言われた時は、相手をねぎらうような言葉をかけるといいでしょう。

 「今お忙しい時期ですよね。お身体には気をつけてくださいね」

 「だいぶ寒くなってきましたよね。体調にはお気を付けくださいね」

 あるいは、目上の人でねぎらうような言葉をかけると逆に気分を害しそうな方には、「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました」「勉強になりました」など、丁寧なあいさつをすることです。

 仮に参考になる話などがあった場合は、「この点が非常に勉強になりました」などと伝えるとよいでしょう。

相手への質問ではありませんので会話は弾みませんが、あなたへの印象はよくなるはずです。

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