管理職・リーダーの大切な仕事の1つ「部下に仕事まかせること」

部下に9割任せる! 第7回

部下に仕事をまかせないのはリーダー失格

たとえば、こんなケースがあったとします。
AさんとBさんはそれぞれ同じ会社で、別々の営業チームのリーダーをしています。
今は月末で、どちらのチームもあともう少しで目標を達成できるかどうかという状況です。
2人は部下の誰よりも営業力があり、プレイヤー時代は常に目標を達成し続けてきました。
Aさんは、自分で新規顧客を獲得しようと営業していました。
それに対してBさんは、自分の担当のお客さまを部下に担当させ、そのうえで補佐役に回りました。
さて、あなたならAさんと同じような行動をとりますか、それともBさんのような行動をとりますか。
すでにおわかりかと思いますが、リーダーとして正しい行動をとっているのはBさんです。
Aさんはプレイヤーの仕事から卒業できていません。リーダー失格ともいえます。
リーダーの仕事はチーム全体の目標を達成することと、部下を育成することです。
部下に仕事をまかせなければ、いつまで経っても部下は成長しません。

「ウチのチームのヤツらは自発的に仕事をしないんだよ」

こんなことを言うリーダーは、たいてい部下に仕事をまかせていません。
部下に仕事をまかせることは管理職であるリーダーの大切な仕事の1つです。部下にまかせないで、いつまでも上司が仕事を抱え込んでいると、次のような問題が生じます。

1 部下が成長しない

たとえば、部下が確実にできる仕事しかまかせていないといった場合、その部下は永遠に成長しません。
そのためには、予算案や販売計画の作成のような、今までよりも負荷のかかる仕事をまかせるようにしましょう。
もちろん、丸投げするのではなく、要所要所であなたが確認します。
最初は手間取るかもしれませんが、慣れればできるようになるはずです。
仕事は「できるようになったからまかせる」のではなく、「まかせるからできるようになる」のです。

2 長時間労働になる

リーダーがたくさんの仕事を抱えていると、夜遅くまで残業することになります。
リーダーが遅くまで会社にいると、部下も帰りづらくなります。
リーダーの中には会社では残業をせず、自宅に仕事を持ち帰るという人もいます。
しかし、この場合コンプライアンス上の問題が生じたり、リーダー自身の健康に支障をきたす可能性があります。
また、リーダーが自分自身の時間を持てないと、読書をしたり、視野を広げるために社外の人と会ったりするなどの自己研鑽をする時間がなくなります。
リーダー自身の成長が鈍化すると、当然その人が率いるチームの成長も鈍化します。

3 リーダーの不在時に仕事が回らない

リーダーがやっている仕事を部下がある程度できるようになっていないと、リーダーが体調を崩したなどの理由で急に休んだときに、お客さまや関係者に迷惑をかける可能性があります。場合によっては仕事の信用をなくしてしまうかもしれません。
仕事を普段からまかせるようにしておくことはもちろん、リーダー自身の属人的な暗黙知やスキルをメンバーが共有できているようにしなければなりません。

4 部下に主体性が生まれない

部下に同じ仕事や簡単にできる仕事ばかりやらせていると、新しいことに挑戦する意欲が落ちてきます。
何よりも、主体性が生まれません。
また、「失敗しないように」「ミスしないように」「怒られないように」と、最低限の仕事だけやっておけばいいやというメンバーも出てきます。

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