管理職・リーダーのマネジメント・承認スキル 部下から相談が上がってくるリーダーが注意しているポイント

これから、管理職・リーダーのマネジメントスキルのひとつ「承認」の技術について解説します。今回は、「部下から相談が上がってくるリーダーが注意しているポイント」ということについてです。リーダーとしての考え方、その際の心構え、実践的なテクニックを解説いたします。

管理職・リーダーが意識したいこと「部下から相談が上がってくるリーダーが注意しているポイント」

 ホウレンソウが思うように上がってこないというのは、リーダーの悩みで必ずベスト3に入る常連です。

 私も講演や研修などを通して数多くのリーダーから相談を受けます。

 実は、報連相が上がってくるかこないかはちょっとした違いです。

 私が見てきた数多くのリーダーのやり方を交えていくつかご紹介していきます。

1.「なぜ」を使わない

 「なぜ」を聞くことは大切ではないかと反発したくなった方もいらっしゃるかもしれません。確かに要因を考え、掘り下げていくことは必要です。

 トヨタやリクルートなどでは「なぜを5回繰り返す」という手法がうたわれており、大切だと思います。

 問題は「なぜ」という言葉です。

 「なぜ、期限に間に合わなかったんだ?」

 「なぜ、競合他社に奪われてしまったのか?」

 「なぜ、間違ったんだ?」

 「なぜ」という言葉は、言われた相手にとっては自分が責められていると感じる言葉です。

 特に部下はリーダーより立場も弱いため、「なぜ」という言葉は圧迫感があります。

 極端な話かもしれませんが、この「なぜ」という言葉を相手に対して使うリーダーが減るだけで、メンタル不全に陥る人が減ると言っても過言ではないかと思います。

 ただ、ここで誤解していただきたくないのが「WHY(原因・理由)」を分析することは悪いことではないということです。むしろ大切と言っていいでしょう。

 「なぜ」という言葉がよくないだけなのです。

 「なぜ」を「何」に変えるようにしましょう。

 上の3つの例を「なぜ」から「何」に変えてみます

 「何が要因で、期限に間に合わなかったのだろう?」

 「競合他社に奪われてしまった要因は何だろう?」

 「間違った要因は何かな?」

 先ほどより聞かれているほうも楽になったのではないでしょうか。

 言われた相手からすると「なぜ」は自分を責められている言葉に感じ、一方の「何」は、自分ではなく起きた出来事・事象に焦点を置いているので、相手が解決策を考える余裕ができます。

 失敗した相手に対して、厳しくしなくてどうするのだと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、大切なのは部下の行動改善につなげることです。そのために分析をしっかりすることです。

 第三者視点で冷静に考えられるほうがいいのです。

2.解決策を出す

 これも意外なことではないかと思います。

 確かに、即対応しなければならないクレームなどの場合は、解決策のアドバイスを送るのは構わないと思います。

 しかし、優秀な部下ほど解決策をそのままやれと押し付けられることを嫌います。

 自分で考え、自由にやる余地を欲しがっています。

 よって、解決策のヒントを出しても強要しないようにすることです。

 何よりヒントを出して答えまで教えないことで、部下の成長が加速します。

 また、先ほども書きましたが、男性は「解決脳」が強いのに対し、女性は「共感脳」が強い傾向にあります。

 「解決してやろう」と考えると嫌がられることもあるので注意が必要です。

3.自慢話が多く、スキがない

 リーダーとして自分をできる人に見せようとすることは逆効果です。

 かつて私の知っている人で「俺ってなんてできるんだろう。俺が10人いたら、業界トップは間違いないんだけどな」と飲んだ席で自慢話を語っていた人がいました。

 この人はプレイヤーとしては優秀だったのですが、部下がついてこず、この人のチームは離職率が非常に高く、本人もこう降格人事になり、そのうち退職してしまいました。

 スキのない人にはなかなか部下も相談できないものです。

 「こんなことを相談して叱られないか」

 「こんなことを報告したら評価を下げられないか」

 このように心配してしまいます。

 むしろ自分がこんなミスをしたことがあったけど、早めに相談して助かったといった話をしたほうがいいでしょう。

 リーダーにもそんなことがあったんだと相談しやすいと思ってくれるでしょう。

 完全なリーダーを目指すのは非常に危険なのです。

4.他責にしない

 例えば営業でいえば「お客様に特別の対応をしたい」とか相談があった場合、「うちではできない」ではなく、「できない理由」をきちんと説明する。

 大きな案件の場合は、上司に掛け合い、交渉する。

 その際、仮に案件が通らなかった場合、きちんと自分の言葉で「できない理由」を伝えるようにします。ここで、「部長がダメだって」と言ったり、「ウチの社長ももう少し頭を柔らかくしてほしいな」なんて言葉を言うのはナンセンスです。

 部下はリーダーのそのような言葉を求めていません。

 他責にしているようでは、部下はそのリーダーに言っても仕方ないなと思ってしまいます。

5.小さな約束を守る

 かつて私はダメリーダーだった頃、部下との約束をよく反故にしていました。

 例えば忙しいとき、部下に受けたちょっとした相談、あるいはお手すきな時にご回答くださいといった相談への回答を忘れることが多くありました。

 リーダーにとっては小さな相談と思うことも部下にとっては大切な相談です。

 どうでもいいことなら、わざわざ部下も言ってこないでしょう。

 特に「お手すきなときに」「手が空いたときでいいので」「急いでませんので」などの期限のない相談はつい後回し、いわや下手をすると忘れてしまう場合もあります。

 仮にあなたが相談した相手なら、回答してくれない相手に不満を持つでしょう。

 信用は小さなことの積み重ねです。

 よって、忙しいときに適当に部下の話を聞いたりしないことです。

 きちんと時間とメモをとる。

 新入社員に対してのような話に思われるかもしれませんが、忙しいリーダーだからこそ原点に振り返るようにしましょう。

 自分にとっては小さなどうでもいいこと=相手にとってもどうでもいいことではありません。部下は気を遣って「お手すきな時に」と言ってくれているのです。この場合も期限を設けるようにしましょう。

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