これから、管理職・リーダーのマネジメントスキルのひとつ「承認」の技術について解説します。今回は、「自分の予定をオープンにしよう」ということについてです。リーダーとしての考え方、その際の心構え、実践的なテクニックを解説いたします。
管理職・リーダーが意識したいこと「自分の予定をオープンにしよう」

「あと30分で経営会議だ。発表をしなくてはいけない。わかりやすいように追加資料を作るか。今から間に合うか微妙だな。どうしようか」とリーダーのあなたは考えていたとします。
そんな時に「吉田さん、ちょっといいですか」との声が。
ミスの多いC君だ。
「こんな時に何だよ」と怒鳴りたくなるのを抑えて、「どうした」と聞く体制をつくる。
いつものようにC君は要領を得ない話し方である。
ついイライラして「結論から話せよ。俺今忙しいんだよ」と声を荒げてしまう。
「忙しそうにしているのが、わからねえのかよ。空気読めよ」とあなたは思うかもしれません。
『吉田さん、気軽に報連相に来いよ』と言っておきながら怒鳴られたよ」と部下の間では話が広まるでしょう。
言動が違うと、部下の信頼を失ってしまうかもしれません。
果たして、これはどちらに非があるのでしょうか。
この場合、リーダー側にあるでしょう。
報連相に来た部下を責めてしまえば、あなたのところに満足な報連相が来なくなるかもしれません。
この場合、どうすればいいのでしょうか。
自分の予定を公開しておけばいいのです。
アナログでスケジュールを管理している人も、「見せる用」でデジタルでも管理するようにしましょう。
部下のためにあなたの予定を公開しておくのです。
そうすることで、部下があなたにコミュニケーションする際、いつがタイミングがいいかを把握しやすくなります。
先ほどの例でいえば、「今日は15時から経営会議だから、午前中のうちに相談しよう」と部下が判断してくれるわけです。
この場合、外部の人との交渉や社内の他の人との打ち合わせ、資料作成や調査など自分で完結する仕事に費やす時間もオープンにしておきましょう。
この時間をオープンにすることは自分だけではなく、メンバーにもしてもらいましょう。
そうすることで、部下が何に時間を使っているかを把握でき、なかなか相談に来ない部下にあらぬ心配をすることも少なくなるでしょう。
あとは仕事を分配するとき、誰か1人に偏っていないかなどを判断することもできます。
さらには、仕事を詰めすぎてバッファの時間を確保していない部下にアドバイスをすることもできます。
私は「サボり時間」と呼んでいますが、バッファ時間は必要です。
仕事を詰め込み過ぎると、何か不意な出来事が起こった時に対応する時間がなくなってしまいます。あるいは、その出来事に時間を取られて予定通り進まなくなってしまいます。
また、時間を詰めすぎて毎日遅くまで仕事をすることは、メンタルの問題につながったりする場合もあります。
早期に発見し、改善するためにもリーダー自身も部下もお互いに「見えるコミュニケーション」ができるように予定を公開しておきましょう。
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