管理職・リーダーが覚えておきたい部下育成術「会議では存在感を消す」

部下に9割任せる! 第13回

会議ではできるだけ自分の存在感を消す

会議では、チームリーダーが進行役を務めるというケースが多いと思います。

この場合、リーダーや年配者、あるいは声の大きな人ばかりが発言して、気の弱い人や経験の浅い若手はまったく発言しないということになりがちです。

仮に、全員が発言をするような形式になっていても、リーダーがみんなの意見をいちいち批評するようだと、なかなか発言しにくくなってしまいます。

すると、リーダーなどいつも同じ人の意見ばかり通るようになってしまいます。

確かに業績がよくなかったり、チームの状態が悪いといったときなどは、会議でみんなに活を入れたくなるかもしれません。

しかし、リーダーの主要な仕事は「結果を出すこと」と「部下を育成すること」です。

会議は部下を育成するための大切な場です。

ですから、会議の進行役は自分でやらないで、部下にやってもらうようにしましょう。そして、できるだけ自分の存在感を消すようにしましょう。

あえて若手を会議の進行役にする

 部下に進行役をやらせる場合は2人1組にします。メインの進行役と補佐役の2人にするのです。

「メインの進行役」というと、あなたがチームの中で一番信頼しているナンバー2の部下だったり、経験が豊富な年長者と思うかもしれませんが、逆です。その人たちには補佐役になってもらいます。

あえて、若手メンバー全員に順番で進行役をやってもらうのです。

若手メンバーが進行役をすることで、次のような効果があります。

1 会議が「自分ごと」になる

若手メンバーの中には、会議に出ることを「義務」だと感じていて、積極的に議論に参加しない人が少なくありません。
 

また、何かが決まって自分が担当になったとしてもあまり「自分ごと」として捉えることができず、「やらされ仕事」のように感じてしまうこともよくあります。
 

しかし、進行役を担当することで、会議やそこで決まったことを「自分ごと」と感じるようになり、積極的に取り組むようになるでしょう。

2 承認欲求が満たされる

進行役になると会議の間は主役になります。
 

すると、「自分が認められている」という承認欲求が満たされ、モチベーションが上がります。

3 ファシリテーションスキルを身につけることができる

ファシリテーションは複数の参加者から意見を引き出し、1つの結論にまとめて導いていく技術です。
 

若手社員もキャリアを重ねるうちに、別部署を交えたプロジェクトはもちろん、社外のメンバーを交えたプロジェクトのリーダーになるなど、今まで「一緒に働いたことのない人」と仕事をする機会がどんどん増えていくでしょう。
 

そんなときにファシリテーションスキルが威力を発揮します。

補佐役の部下にとってもメリットがある

また、ナンバー2の部下に補佐役になってもらうことは、将来その人があなたの次にリーダーになったときに役立ちます。
 

たとえば、補佐役からメインの進行役に会議の内容についてフィードバックをしてもらうようにすれば、補佐役はフィードバックの方法を実地で学ぶことができます。
 

すると、会議は進行役と補佐役の双方にとって「学びの場」になります。

 
また、活発に意見を出し合ってもらいたいときは、リーダーのあなたが会議に参加しないというのでもいいでしょう。
 

あなたがその場にいると、メンバーたちはつい顔色をうかがってきたり、あるいは頼ってきたりする人も出てくるかもしれません。
 

それでは自主性が育ちません。
 

ですから、あなたはときどき会議を欠席するようにしてみましょう。
 

結果については、あとで信頼できる補佐役から簡単な報告をもらえばいいでしょう。
 

あなたがいなくても仕事が回るチームを作るためにも、会議ではできるだけ存在感を消すようにしましょう。

(3月上旬発売予定 部下に9割任せる!)

管理職研修 リーダー・管理職育成のための研修を用意しています。

 

メルマガプレゼント

日本のマネジメント層をサポートする吉田幸弘の管理職やリーダー研修・コミュニケーション術研修のエッセンスをお伝えしております。

「きょうよりも業務進行が捗るマネジメントができるようなりたい」「部署の空気を良くしたい、プロジェクト士気を高めたい」管理職やリーダーのためのメルマガ「 一流のリーダーが実践している ちょっとした心がけ 」を登録者の方に定期配信しております。


メルマガの内容一例

・新刊の原稿の一部及び未収録原稿を抜粋
・管理職におすすめの書籍のご紹介
・マネジメント手法のご紹介
・社内コミュニケーション手法のご紹介

・その他、管理職・リーダーに役立つ情報

 

吉田幸弘_書籍_メルマガ

 

都道府県 【必須】