これから、新しい部下や取引先との初対面で好感を得るコミュニケーションスキルについて解説します。今回は、雑談ノートを使った雑談術です。雑談で和やかに商談を進める方法、その際の心構え、考え方、実践的なテクニックを解説いたします。
管理職・リーダーが意識したいこと「雑談手帳で相手をマーケティングしよう」
かつて私の部下に非常に優秀なA君という人がいました。
A君は仕事ができるのはもちろん実は気配り上手でした。
実は私は茄子が苦手でした。
「吉田さん、茄子苦手でしたよね」と常に言ってくれるのです。
他の人のこともよく知っていて、ある時彼に「A君はなんでそんなに物覚えがいいの?」と聞いてみました。
すると、一冊のノートを出してきました。
「実は結構忘れやすいんです。なんで耳にしたことはメモにしているのです」と言っていました。
このノートには、お客様の前で仕事に関することはもちろん、それ以外に「Cさんは野球が好きだ。3月に箱根に行った」なんてことまで書いてあるのです。
実は既に過去の著作で紹介しております「部下ノート」もA君のノートがヒントになっています。そこで、おススメしたいのが「雑談ノート」です。
「雑談ノート」には、面談時にお話しした雑談の内容を書いておくものです。
・趣味
・出身地・出身校
・過去にしていた仕事
・好きな食べ物
・嫌いな食べ物
・家族構成
・行った旅行の場所
・イベント
これら聞いたことをメモしておくのです。
そして時折見返す、社外の人ならお会いする前に見返しておくのです。
例えば、宴会をご一緒したら、隣にいる先輩に「Fさん、トマト苦手でしたよね」と言って取り分けるときに気を遣えば、「気配り上手なヤツだ」と好印象になります。
あるいは、社内の休憩室(かつてでいう喫煙コーナー)や洗面所でばったりお会いしたSさんに、「最近カラオケ行ってます?」「お子さん、今年高校でしたっけ。甲子園とか目指されるんですか」なんてちょっとした声がけもしやすくなります。
これも雑談ノートによってSさんの趣味がカラオケであったり、息子さんが今度高校に上がり、野球をやっているなど把握できているからです。
このように相手の情報を把握しておけば、何を話したらいいかわからないという悩みもなくなります。また相手からの印象も「話したことをきちんと覚えてくれているな」と好印象になります。
普段、営業をしていると、お客様と話した内容をノートなどにメモすると思います。日報に記入することもあるでしょう。
これは次回の訪問、受注につなげるヒント、あるいは宿題、お客様の動向のマーケティングのためでもあります。
実は雑談の内容までメモしている人はいません。だからこそ相手の話した内容、しかも雑談に関して覚えておくと希少価値があるのです。
なお、この雑談ノートですが、お会いしたお客様別に書くのもいいのですが、そうすると膨大なノートの数になってしまいます。
私は管理が悪いので、どこにそのノートがあるのだろうかと探してムダな時間を使ったりしてしまう可能性があります。
そこでこのようなノートは一冊だけにして、時系列にして色々なお客様とした内容を書いていくと思います。
そうすると、手帳などのスケジュールを見ながら、A社の伊藤社長とは前回、このような雑談をしたななんて思い出せるのです。
ぜひ雑談ノート使ってみてください。
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