これから、新しい部下や取引先との初対面で好感を得るコミュニケーションスキルについて解説します。今回は、相手のことを話題にする雑談術です。雑談で和やかに商談を進める方法、その際の心構え、考え方、実践的なテクニックを解説いたします。
管理職・リーダーが意識したいこと「相手のことを話題にする」
では、その「知らない話題」に対してどう対応していけばいいかをお伝えしていきます。
先ほどは、少し触れましたが、プロ野球を話題にするのではなく、プロ野球を観に行ったAさんに関する質問をしていくのです。
ただ、そうはいっても最初はなかなか浮かばないでしょう。
難しいものです。
具体的にどのように質問していけばいいかをお伝えしていきたいと思います。
最初はこれから挙げる6つの項目について訊いていくといいでしょう。
慣れてきたら、その人が野球場に行く姿を想像してアレンジしていけばいいわけです。
それでは具体的に説明していきましょう。
1.マイグッズ・道具の所有の有無
例えばプロ野球観戦やサッカー観戦の話題になったときは、「やっぱりユニフォームを着ていくんですか」「グローブとか持っていったりするんですか」「メガホンは持っていくのですか」などマイグッズについて訊いていきます。
あるいは実際にプレーをする方、例えばテニスをされる方には「テニスラケットはお持ちですか」、釣りをされる方には「釣り道具はお持ちなんですか」「ルアーは色々お持ちですか」、ゴルフをされる方は「ゴルフウェアは何色なんですか」などと訊いてみるとよいでしょう。
こだわりなんかも訊いていくといいでしょう。
2.席の位置、好きなスポット
例えばプロ野球なら「外野席に座るのですか」「応援団の近くに座るのですか?」などと訊くと相手も反応してくれます。また、映画や歌舞伎鑑賞をされる方にだったら「端っこに座りますか」「どのあたりが見やすいんですかね」などと訊くのがいいでしょう。
また少し上級者向けの質問でいえば、関連して「チケットは取りやすいですか?」「人気のカードとかチケット発売開始時につながらず何度も電話したりするのですか?」何て聞くのも本人の素性が見え隠れして面白いかもしれません。
あるいはゴルフの話だったら「お決まりのゴルフ場はおありなのですか?」、サーフィンなら「よく行くスポットはおありなのですか」と訊いていくのがいいでしょう。
3.好きな選手・役者など
この場合、「好きな選手は誰ですか」と5W2Hの「WHO」を訊くようなやり方だと、質問された方は尋問のように感じてしまうかもしれません。
こんな時は次のような訊き方をするといいでしょう。
「ちなみに、好きな選手とかいらっしゃるんですか?」
だいぶ柔らかい訊き方になったのではないでしょうか。
「ちなみに」というクッション言葉もそうですが、「いるんですか」は「はい」「いいえ」から始まる答えやすいクローズド質問だからです。
相づちを入れて、「へえ!もしかして、好きな選手とかいらっしゃるんですか?」なんて訊き方も、いれば答えてくれます。
4.現地で購入するもの・飲食に関して
先の例で挙げれば神宮球場というと、近くにある東京ドームに比べて、野外なので「ビールが美味しい季節ですよね」などと訊くのもいいですし、「試合中お腹すきませんか?がっつり何か食べるんですか?それとも終わってから食べるんですか?」などと訊くのもいいでしょう。
ゴルフであれば「終わったあとのビールは最高って聞きますけど、どうなんですか?」「もしかしてプレイ中も昼食時に飲んだりするのですか?」なんて訊くのもいいでしょう。
あるいは映画鑑賞なら「ポップコーンとか食べながら観るんですか?ちなみに昔デートでポテトチップスを食べながら映画を観てたらうるさいと彼女に怒られたことがありまして」なんて笑えるエピソードを自己開示しながら訊くのも面白いかもしれません。
歌舞伎の場合は、「何か食べながらなんてダメですよね。終わった後歌舞伎座周辺で何か食べたりするんですか?あの辺、美味しそうなお店がいっぱいありそうですよね」などと質問してみるのもいいでしょう。
やはり飲食のネタは盛り上がりやすくなります。
5.一緒に行く仲間に関して
この場合も3の好きな選手・役者について訊いたときのように「誰と行くんですか?」などと訊いてはいけません。
ゴルフのような団体スポーツなら別ですが、例えばサーフィンなどの個人スポーツであったり、スポーツ観戦や映画鑑賞などは1人で行くという人も少なくありません。
よって、この質問は団体スポーツの場合に限定し、さらに「一緒に行く方とかいらっしゃるんですか?」あるいは、歴史が好きで仏像巡りやお城巡りが好きという方なら、「そういったことをお話ししたりされる方とかもしかしていらっしゃるのですか?」といった訊き方がいいでしょう。
この「もしかして」がクッションワードになり、相手が1人で行動している場合も「いや、1人ですよ」と答えやすいのです。
6.始めたきっかけ
誰もがその趣味を始めたきっかけというものがあるかと思います。そのエピソードを訊くとその人の素性が見えてきます。また、過去の質問とは未来の質問とは違って考える必要がないので、相手も答えやすいという特徴があります。
これら6種類全部質問する必要はありません。
この中で2つか3つ質問すればいいのです。
そもそも相手がふってきた話題ですから、相手はたくさん話すことができる話題です。
話のエンジンがかかったら、後は相づちを打ちながら対応していけばいいのです。
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