部下に9割任せる! 第8回
部下の信頼を失う言動に注意する
もしかして、あなたは部下から陰でこんなことを言われていませんか。
「『クレームなどで大変なときは同行する』と言っておきながら、実際に相談したら、『オレは忙しいんだ』と逃げた」
「『目標を達成したら、みんなで焼き肉に行こうぜ!』なんて言ったくせに、達成しても連れて行ってくれなかった」
「『報告書を締め切りまでに提出しろ』と言っておきながら、自分よりも年上で気難しいBさんには期限後の提出でも許している」
「誰かが遅刻すると厳しく叱るくせに、自分も会議に遅刻してくる」
「役員も出る会議で新規の提案をするときに『オレもあと押しするから』と言っておきながら、支店長がダメ出ししたら、『確かに根拠が弱いですよねえ』などと一緒になってダメ出し。裏切られた」
このように言っていることと行動が一致していないことはありませんか。
あなたにとっては気軽に言ったひと言であっても、部下はしっかり覚えています。「言ったのにやらなかった」では部下の信頼を失います。
部下は「あれっ、頼んだのにやってくれないんですか?」とは言いませんから、知らぬ間に信頼を失うわけです。
まるで、商品に問題があっても文句は言わないけれど、次からは買わない「サイレントクレーマー」と同じです。
日々の小さな積み重ねが信頼関係を構築していきます。ですから、部下に言ったことは忘れないように手帳やノートに書き留めて期日通りに実行するようにしましょう。
部下にきちんと謝れるリーダーは信頼されます
しかし、そうはいってもリーダーも人間です。間違えること、失敗すること、忘れてしまうこともあるでしょう。
そのような場合は、きちんと謝るようにしましょう。部下にきちんと謝れるリーダーは信頼されます。
もし「朝令暮改」になってしまったら
また、以前言ったことと違うことを言わないようにする、一貫性を保つことも重要です。
たとえば、月曜日の会議で「今月は新規に力を入れよう」と言っておきながら、水曜日には「今月は既存顧客の拡販に力を入れるぞ」といった具合に、言うことをコロコロ変えるのはよくありません。
しかし、ビジネスを取り巻く状況が変化すれば、朝言ったことと違うことを夕方に言わなくてはならないケースはよくあることです。
また、正しいと思って決めたことが、あとから間違えていることが判明したという場合もあるので、「朝令暮改」もある程度は仕方ないでしょう。
たとえば、Aという商品を重点的に既存のお客さまに20件案内したが、1件もいい反応が返ってこなかったから、代わりにCという商品を案内することを指示したとします。
このような場合、言うことが変わったことの「理由」と「背景」をリーダーが自分の言葉でしっかり説明できれば、部下は納得します。
しかし、「上層部の指示だから」「そうなったのだから仕方ない」などと言うと、部下はリーダーを信頼しなくなります。
仕事をするとき、「自分ごと」として取り組めるか、あるいは「他人ごとのやらされ仕事」と感じてしまうかは「その仕事をする理由と背景」が明確かどうかにかかっています。
これがあいまいだったり、聞かされていなければ、「他人ごとのやらされ仕事」となってしまいます。
なお「朝礼暮改」は、多少は仕方ないにしても、言うことがあまりにもコロコロ変わりすぎると、信頼を失うので注意が必要です。
口に出す前にそれが適切かどうかをきちんと吟味するようにしましょう。
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